〈リズム運動とリズム体操の違い〉
リズム運動とリズム体操。言葉だけ見ると、どちらも、たいして変わらないような印象を受けます。でも、実は、全く違うのです。 リトミックでは、音楽を聴いて、感じて、表現する活動を「リズム運動」と名づけました。一見すると運動系のものなのかと誤解してしまいそうですが、リトミックは音楽から生まれた教育法です。 レッスンでは、子どもたちや指導の目的に合った音楽を、子どもの活動の様子を確認しながら、ピアノ担当の教師が即興演奏します。子どもたちの動きのタイミングを見ながら、演奏する曲の感じを変えたり合図を出したりしながらレッスンを進めていくのです。そして、音楽という素晴らしい素材を使って、音楽的能力を高め、音楽を楽しみ、人間の基本的能力を高めていこうとする目的を持ってレッスンを行っています。 体育的な目的を持ったリズム体操とは、全く目的が違うものなのです。
〈振付ではなく自由な自己表現を〉
音楽に合わせて動くという意味では、幼稚園などの発表会で行われるお遊戯とどこが違うのだろうと疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。お遊戯は、先生が決めた振りを子どもたちが覚えて、練習して発表します。 一方、リトミックのリズム運動では、音楽を聴いて、即座に自分が感じたように表現するので、即興的な要素もあり、子どもの自由な自己表現でもあります。 お遊戯にもリトミックにも、それぞれ、違った活動の目的があり、ねらう効果があります。
リトミックでは、子どもの表現力を育てることを大切に考えて、カリキュラムを立てています。
〈どんな先生がいい先生?〉
リトミック教育に意欲を持って、日々研修を重ね、熱心に取り組んでいらっしゃる先生がたくさんいらっしゃいます。でも、いざ、リトミックを始めるとなると、どうやって、先生を選んだらいいのか悩んでしまう人は多いのかもしれません。確実なのは、実際にレッスンを受けている人から、評判の良い先生を紹介してもいただくという方法があります。 でも、お子さんとの相性もありますし、スケジュールや条件が合わないなど、教室選びは意外と難しいこともありますので、どんな先生を選んだらよいか、いくつか書き出してみました。
①音楽的な力量を持っている。 リトミック指導には、音楽全般に対してのバランスのとれた力と指導力が必要です。 音楽大学などで、音楽全般について広く勉強していたり、それと同程度の音楽的な力量を持っている先生が望ましいでしょう。
②リトミックについて専門教育を受けている 中には、体育を専門とする指導者が、リトミックを指導していることがあります。 リトミックは音楽教育から生まれた教育法です。 レッスンの内容を確認して、望んでいる内容のレッスンが受けられる先生を選びましょう。
③リトミックで使う音楽をピアノの即興演奏で行っている。 どの子も、本物に触れてこそ、感動や喜びを感じることができます。 子どもたちの持っている感性に響くレッスンには、ピアノの即興演奏での音楽が必須です。カセットテープでの音楽では、子どもたちの成長や様子に合わせた音楽を使うことができません。
④子どもを長い目で見ることができる先生。 音楽教育に限らず、子どもの成長するためには、大人が待ってあげることが大切です。 子どもを、温かい態度で見守ってくれる先生を選びましょう。
⑤コミュニケーション力を育てられる先生 自己表現をするためには、子ども同士の信頼感が大切です。 他者とのコミュニケーションも、指導の方法によって、その力を成長させることができます。レッスンで培われたコミュニケーション力は、リトミック教室以外の場所でも自分の能力を発揮するための大きな力となるでしょう。
⑥子どもたちに愛情を持ってレッスンしてくださる先生 一番大切なのは、子どもたち、一人一人を愛し、注意深く観察して、適切な支援を与え、その成長を共に喜んでくれる指導者です。
楽の力をつけたいというだけでなく、お友達と仲良く活動できる子になってほしい、 自己表現できる子に育ってほしい、 積極性を付けたい、など、リトミック教室に行く理由はそれぞれだと思います。最近は体験レッスンなどの制度がある教室も多いので、上手に利用して、お子さんとの相性や、教室の雰囲気、レッスンの内容、先生のお人柄など、どの子も、楽しい時間が過ごせるように、納得のいく教室を選んでください。 子どもたちが笑顔になる、素晴らしい教室との出会いをお祈りしています。
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