リトミックで育てる力

リトミックでは、音楽の能力を高めるとともに、音楽を表現するために必要な様々な力を育てていきます。早い子は6か月の赤ちゃんの時から習い事を始める子もいます。その中でも、リトミックはベビーリトミックという言葉があるほど、人気があるのです。ではリトミックはいったいいつから始めるのでしょうか?早い子だと6か月と言われた習い事ですが、リトミックはこの小さいうちからの習い事でも定番の人気ある習い事です。赤ちゃんはお母さんのおなかにいるときから、お母さんの声を聴いています。よくモーツァルトなどは妊婦にお勧めといわれるのは、お腹名の中の赤ちゃんに影響が出ていることが証明されているからなです。子供たちは、音楽によって色々なものを吸収して成長していきます。
では、具体的にどんな力が育つのでしょうか。

〈イメージを膨らまして〉

ピアノの先生「今日は、みんなで一緒に動物の森を探検に行きましょう!」
「音楽に合わせて歩きましょう。音楽が止まったら、みんなも止まりましょうね。」
子どもたちはピアニストの先生の弾く即興のピアノのリズムに合わせて歩いていきます。
「森の中には、動物がたくさんいますね。」
ピアノは早いリズムの曲に変わりました。
「小さくて可愛らしい動物がいますよ。」
―きっと、リスさんだ!―
「本当だ、リスさんがちょこちょこと走り回っていますね。」
「みんなも、リスさんになって、食べ物をたくさん集めましょう。」
ピアノは低い音でゆっくりな音楽に変わりました。
「遠くの方から大きな身体をゆらしながら、別の動物が歩いてきましたよ。」
―この音楽は、ゾウさんだ!―
「では、今度はゾウさんになって森の奥深くを探検してみましょう。」  
リトミック教室に通い始めたばかりの頃は、こんな風に、想像のイメージを膨らませながら、音楽に合わせて身体を動かすことに慣れていきます。
中には、本物のリスもゾウも見たことがない子どももいます。
でも、それは、全く問題ではありません。絵本で見たり、アニメ映画で見たり、いつかお母さんにお話ししてもらったことを思い出したり、全くの想像だったり。大切なのは、子どもが普段の生活の積み重ねや、先生の弾く即興の音楽から、想像力を膨らませて、身体をゆすりながら歩く大きなゾウさんになってみたり、あるいは、怖い天敵から逃げ回る、すばしっこいリスさんになってみたりして、自分を表現することなのです。

上のような活動では、次のようなねらいがあります。

①子どもの自由な発想力を育む。
②創造的な表現力を培う。
③空間的認識力を養う。
④即時反応力を高める。

〈空間的認識力を養う〉

音符の長さを空間の広がりで体験し、理解します。例えば、ちょこちょこと素早く走るリスの動きは16分音符で表現され、ゆっくりした動作で歩く大きなゾウの動きは全音符で表現されます。
また、音が伸びている間は、空間はひろがり続け、身体の動きが止まってしまうことはありません。
そんな、音楽の感覚を身体の動きで理解していくのがリトミックです。

〈即時反応力を高める〉

りすぞうリスの音楽が聴こえたら、リスになって歩き、ゾウの音楽が聴こえたら、ゾウになる。 (ピアノで奏される)
小鳥の鳴き声が聴こえたら、お母さんに森の中でとったキノコを渡しに行こう。音楽が止まったら、動作も止まります。
これらの動作をするためには、一度に、いろいろな感覚を働かせなければなりません。 そして聴いたリズムによって、速やかに表現をします。即時反応を高めるこれらの動きは、子どもたちの集中力や注意力を高め、自分自身コントロールする力に繋がります。

他にも、リトミックを通して、感動する気持ちや、表現したいと思う意欲、自己表現への自信、他者を認める力、コミュニケーション力など、人間らしく社会の中で生きていくための力を育てていきます。

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