音楽にはたくさんの種類のリズムがあります。それらを知識として知っていても、それだけでは生き生きと演奏することは、とても難しいものです。
例えば、『符点のリズム』では、どうでしょう。
ピアノを習っているお子さんでも、苦手に思っている人は意外に多いリズムです。
でも、リトミックでスキップする時の躍動感を体験すれば、『符点のリズム』が、どんリズムなのか、感覚としても知ることができるでしょう。
リトミックは、音楽を身体の動きで表現することで、音楽の感覚と知識や知性がバランス良く身に着いていきます。
〈レッスン例1 身体の名前を覚えよう〉
音楽を感じて身体で表現するためには、自分の身体を知って、自由に動かす経験も必要です。リトミックでは、身体の部分の名前を覚えたり、触ったり、動かしたりする活動も取り入れています。年齢や、方法によって、日本語だけでなく、英語を使う場合もあります。
次の活動は、肩を使った活動の一例です。
・みんなで、ひとつの大きな輪になり、一方方向を向きます。
・ピアノの音楽の拍子に合わせて、自分の前にいる人の肩たたきをします。
・ピアノの合図(グリッサンドなどが、気持ちが高まって楽しくなります。)で、反対側を向き、また音楽に合わせて前にいる人の肩たたきをします。
・子どもたちの様子を見ながら、ピアノの音楽の速度や曲の雰囲気を変えてみるのも楽しいです。
・ピアノ演奏は教師の即興演奏で行いますので、肩たたきが強くなってしまう場合は、音楽のタッチを優しくして、どんな感じの音楽か、注意深く聴くように促します。
・先生の合図と言葉で、前の人の肩だけでなく、自分の肩や、自分の膝、自分の鼻、自分の頬など、たたく場所を、いろいろ変えていきます。(この時の身体の場所についての言語は日本語はもちろん、英語や他の国の言語でもかまいません。)
・頻繁に、合図や指示を出して動きを変化させると、集中力や意欲や楽しさが高まります。
・別のピアノの合図で、自分の場所を変えて、新しい円を作ります。
・そして、また、音楽に合わせて、前の人の肩たたきをします。
・ひとつの活動を終えたら、レッスンの流れを止めずに、すぐに、次の活動にうつります。
上の活動は、少しリトミックに慣れてきた子どもたちで行うと、いろいろなバリエーションで活動を楽しむことができます。小さいお子さんには、お母さんと向かい合って、かわりばんこに肩たたきをするなど、年齢に合った活動を工夫します。
お友だちや、お母さんとのコミュニケーションを加えることで、活動に温かみが増し、親しみや思いやりの気持ちを感じやすくなります。
このほかにも、様々な活動を通して、音楽の力や自己表現の力を身につけていきます。
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